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甘い生活
甘い生活
甘い生活
木原 音瀬

内容(「BOOK」データベースより)
家庭教師のバイトを始めた清隆の生徒は、不登校の子供だった。本を読む以外に反応を示さない文和に、とうとう清隆は切れて、欲望のままに押し倒してしまう…。―少年と青年の微妙な心の関係を描いた「甘い生活」。高校生に成長した文和が恋に悩む姿をつづった「口唇エレジー」。そして、二人のその後を描いた書き下ろし「太陽がいっぱい」等3本を収録。木原ファン待望の作品がついにノベルズ化。


「甘い生活」という柔らかめなタイトルに妙に安心しつつ読み始めてみたら、さすが木原音瀬氏、タイトルと正反対、激しく痛い話だった。
毎回毎回思うのだけれども、木原音瀬氏は人間を本当に痛く書く。読んでいる読者が居た堪れなくなるほどに。
「甘い生活」は藤井清隆の欲望と偽善に満ち溢れた幼児強姦の日々の記録だった。
その状況でも痛々しいのに、藤井清隆がどうにも人間じみた嫌らしさを持ち合わせているから、更に胸にぐっと来る。
もっと人間らしくない鬼畜な野郎だったら、感情移入もせず、さらりと流せたかもしれない。
だけど、強姦した子供(文和)に必死になって口止めする姿や、今まで散々弄んできた子供に反抗されて怯える姿は酷く醜い。
臆病なくせに、利己的で卑怯な人間、藤井清隆。
それなのに、「口唇エレジー」で中学生になった三宮文和は社交的ではないし無口なものの、バスケもできるし勉強もできるという真っ当な人間になっていくのに、何故だか清隆に盲目的な愛情を抱いているんですね。
正直言って、私は読んでいる途中「何で文和は清隆なんかが好きなんだ」という疑問を何十回も感じました。
だけど、文和の

『好き』
あの男のどこがと聞かれても、わからなくなっていた。もう理屈ではなかった。


という一文を読んで、『ああ、仕方ないことなんだな』と何だか切なくなりながらも納得しました。
これは相手のどこどこが好きだとか、そんな甘い言葉が語れるような優しい恋じゃない。
相手と自分の境目もつかない、もっと皮膚に擦り込まれ、肉に刻まれるような深く重く息苦しい恋だ。
清隆がつれなければつれないほど憎らしく、文和が清隆に一途であればあるほど可哀想で愛しくて、何でこんなに素直な文和が自分勝手な清隆を愛さなくてはいけないんだと何度か運命とやらを呪いました。
だけど、私は何だかんだで清隆も嫌いじゃないんですよね。
清隆のずるさや弱さ、それらが理解できるからこそ、憎み切れない。
木原音瀬氏っていう人は、どうしてこんなにも共感せずにはいられない人間の醜さや弱さを書くことができるんだろう。

清隆や文和に感情移入してぐわーっと悶えつつ読んでいたためか、最後の4ページは読んでいて本当に幸せでした。
痛さの後に待つ何気ない言葉が最高にだいすき。
| bl novel | 15:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
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