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オーデュボンの祈り
オーデュボンの祈り
オーデュボンの祈り
伊坂 幸太郎

内容(「BOOK」データベースより)
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。


去年夏から伊坂幸太郎氏作品を読み始め、本日目出度く既刊全て読み終わることができました。
しかし読み切ってしまったらしまったで勿体無い感じも。
新刊でたら必ず買います。
発売日に買いに走ります。
それぐらい去年は伊坂幸太郎氏に大ハマりな年でした。
今年もハマり続行中です。

伊坂幸太郎氏デビュー作である「オーデュボンの祈り」を読んで、伊坂幸太郎氏の作品はどんどん良くなっているという書評の言葉の意味がよく解りました。
もちろん本作が悪いというわけではなく、ただ他の作品と比べると若干初々しさが感じられるなあって程度です。
物語の種明かしや複線など、少し勘付いてしまう部分等もあったのですが、物語や登場人物の節々から伊坂幸太郎さん独特の雰囲気が漂ってきて、とてもテンポよく読めます。
今回も後期試験直前だというのに、読みたい読みたい病に敵わず、2日でちゃかちゃか読み切ってしまいました。

物語や登場人物、世界観はとても現実にはありえないファンタジックなものばかりなのですが、洒落た文体のおかげか、周到な説明のおかげか、そういったファンタジックなところも鼻に付かず、非常に楽しく読めました。

未来を予知するカカシ。
殺人を許可されている桜。
嘘しか言わない画家。
太りすぎて動けない兎。
地面にへばりついて心音を聞く少女。

荻島に住む人々はみんな天衣無縫で変な人ばかりなのだけれども、何だかとてもかわいい。
だけど、彼らも都会の人たちと同じくして、弱者へと向ける悪意や優越感や残酷さを持ち合わせている。
そういうところが私はすこし怖いと思った。
どれだけ美しい風景があっても、素朴な生活があっても、殺人や強姦はなくならないし、人間は人間なんだなと思えてしまうところが。
だけど、荻島の人々が単なる素朴で優しい島民だったとしたら、この作品はこんなに面白くならなかったんだろうなあ。
もちろん悪人だけでも面白くない。
善と悪、両面ある灰色の人間だから面白い。
それを象徴するのが主人公の世話をする日比野という青年の存在だと思う。
日比野は人の気持ちを思い遣らず、残酷なことでも簡単に口に出してしまう。
奥さんが殺された相手に「奥さん元気か?」と尋ねたり、足の曲がった男を見て「俺はまだマシだ」と言ったり。
だけど、日比野は何も考えてないわけじゃない。
途中辺りから、私は犬のような日比野がとてもすきになっていました。
日比野は「馬鹿な子ほど可愛い」ってタイプだと思う。
ようは一直線で素直なんだなあと。
素直さは優しいという性質だけを持ち合わせるんじゃなくて、優しいことでも酷いことでも思ったことをそのままバカバカ口に出しちゃうことなんだなと改めて実感しました。
傍から見て、見苦しかったり聞き苦しかったりしても、私は率直な日比野がとてもすきです。
伊坂幸太郎氏作品の中で一番すきなキャラクターかもしれない。

「荻島には欠けているものがある」という伝説の「欠けているもの」の答えも、とてもロマンチックで素敵なものだと素直に思えました。
こんな素敵なものを待ち侘びていたのかと思うと、荻島の人々がすごく愛しく思えます。
その「欠けているもの」は、伊坂幸太郎氏の作品の中でも度々出てきます。
そのことからも、たぶん伊坂幸太郎氏はその「欠けているもの」をとても大事にしている人なんだなあと思って、何だか伊坂幸太郎氏は子供みたいで素敵な方だなと思えました。
本作を読み、「欠けているもの」を改めて意識すると、とても幸せな気分になれました。

それから、私は「未来が見えるカカシ」の優午の気持ちが何だかとても切なかった。
未来が見えるのって全然いいことじゃない。
人間に慕われるのって全然いいことじゃない。
仕方ないよなあと思えてしまう。
| novel | 21:43 | comments(0) | trackbacks(1) |
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「何十、何百の犠牲の上に一人の人間が生きている」
オーデュボンの祈り 伊坂 幸太郎 1/15 読了。  伊坂幸太郎氏の作品はこれで総て読み終えました。以前買っておいたのですが、宮部さんの作品を借りていたこともあり、なかなか読めずにいました。  この作品は伊坂氏のデビュー作。本当は単行本が欲しかったん
| luv2 | 2005/01/22 7:34 PM |